シルキーシックス。
車好きなら誰もが耳にしたことのあるワードではないでしょうか。
私の愛車 BMW 130i (E87)はそんなシルキーシックスを自然吸気で楽しめる
おそらく最も手の出しやすい選択肢として皆様におすすめできる車種だと思っています。
今回は、車好きな私がどういった経緯で130iを購入するに至ったのかを簡単に振り返ります。
買った後の故障については、この記事で書いています。苦笑
交通事故と乗り換え
そもそも130iに出会うきっかけは、去る2017年7月。
一人でドライブ中に巻き込まれた交通事故でした。
右折待ちをしているところに、居眠りのおじいさん(!!)が突っ込んできて
当時の私の愛車HondaのS660は見事に大怪我。
不幸中の幸い、私自身は鞭打ちのみで、骨折等はありませんでした。
ただ、修復歴になってしまう改修が必要なダメージだったことと、いわゆるトラウマというやつで、乗り換えを検討することにしたのです。
社会人になると同時にローンを組んで新車で買ったクルマだけに、ショックは大きいです。
クルマを選ぶ基準
交通事故でクルマを乗り換えることになったわけですが、
実は最初から130iが頭にあったわけではありませんでした。
むしろ、当初僕は130iという車の存在を知らなかった…。
愛車選定の基準は、以下の3つでした。
1.後席 and 後席ドアがあること
S660。本当に楽しいクルマなのですが、後ろの席(荷物スペース)がないのってやっぱり不便でした。笑
(S660の前は同じくHondaのビートに乗っていましたが、ビートの方が断然積載力がありました。)
結婚も考えていましたし、せめてリアシートは欲しいと。
2. 楽しいエンジンを積んでいること
S660といえど、やはりベースはN-BOXのエンジンです。
HKSのフラッシュエディターを入れてハイオク仕様にしていましたが、
音や吹け上がりでどうしてもムラムラしてしまっていました。
大袈裟ですが、「エンジンを買いました」みたいなクルマを探しました。
※ちなみに、ビートの吹け上がりを期待してS660を買うと後悔します。あの2台は良い意味で全くの別物です。良い悪いではなく、違いの概念。
3. 購入金額が150万円以内に収まること
なんせS660のローンが残っていますので、再びローンを組むのは避けたいです。
S660の売却資金と、手元の資金を合わせて初期投資は150万円以内に抑えたい。
条件はたったのこれだけ。
通勤には通勤用のゲタ車がありましたので、用途は趣味用で、メーカーは不問です。
出会ってしまった運命の一台
カーセンサーのアプリに穴が開くほど見入る夜が一ヶ月程続きましたが、ついに出会ってしまいました。
輸入車の中古価格って本当に面白いですね。
2011年の新車当時は504万円もしていたクルマが、7年経つと124万円にまで下がるんですから。
ちなみに走行距離は8.1万キロ。どう捉えるかはあなた次第です。(微笑み)
後席 and 後席ドアもあり、
エンジンもどうやら面白そうで、
予算は20万円程余裕がある!(ここ大事です)
仕事を早々に切り上げて現車確認に行ったのですが、右フロントバンパーとホイールに傷があったので相場より少し安く出されていた模様。
ボディの塗装や内装は、走行距離からは信じられない程綺麗です。
エアコン類の効きやパワーウィンドウ、ドアロックの動きも問題なし。
下回りもオイル漏れ等はなさそう。ただ、半年後に車検が控えています。
7年間で8万キロということは、1年あたり1万キロちょいの計算なので、
「しっかり動かしてもらっていた個体」という意味では安心できると判断しました。
ポジティブシンキングが炸裂します。人によっては過走行の部類に入るでしょうが気にしません。
私の前は2オーナーで、長野のディーラーで新車販売され、群馬のディーラーで認定中古車として販売された経歴があるようです。
記録簿も全部残っていましたが、最初の車検時にエンジンオイルレベルセンサーを交換している他は特にトラブルフリーで駆け抜けてきた個体です。
タイヤやオイル等、消耗品の交換や基本的なメンテナンスは全てディーラーで行われてきた優等生に見えます。いいぞ、Mスポーツ。
現車確認をしている最中にも問い合わせの連絡が来ていたようで、
その場で購入を決めて帰って来ました。(早い)
そもそも130iとは
130iが属する1シリーズは、言わずと知れたBMWのエントリークラスに位置するハッチバックモデルです。
ベースはいわゆるE90型の3シリーズで、コンパクトクラスながら50:50の重量配分や、
本格的なFRレイアウト等のこだわりを持っています。
(ベンツのAクラスやアウディのA1はFF 前輪駆動ですからこれだけでも貴重な車です)
その中でも特に130iは話題作りに事欠かなかったモデルだったようですね。
それもそのはず。
コンパクトなボディに265psを発揮する直6エンジンをねじこむだけでも驚きなのに、
発売当時は右ハンドルの6MTのみの設定だったのですから…笑
市場からの強い要望を受けてか、後々6ATも追加されています。
私が購入したのはマイナーチェンジ(BMWではLCIと言います)後の、
規制対応で259psとなった最終後期モデルですが、i-Driveと呼ばれるナビの操作性が格段に向上した他、各部の信頼性も大きく熟成されているようです。
パッと見で見分けるコツは、ドアミラーの形、テールレンズの形、エンジンカバーの色、ナビ画面の形ですね
(そんなことも全く知らずに、購入していました。)
前期モデルのナビは本当に使いにくくどうしようもないので、
これから購入を考えている方には間違いなく後期モデルがおすすめです。
(ただ、少しでも馬力が欲しい!と言う方は迷わず前期モデルを選んでください。)
納車
ついに、納車です。
なんと言うんでしょう。
最近はオラついた顔つきの車だらけになってしまいましたが、
ひと昔前はこんなに優しい顔の車が普通に売られていたんですよね。
エンジンももちろんですが、この穏やかな顔つきも実はツボなんです。
ちなみに、これは特にこだわりポイントではなかったのですが6MTを購入しました。
本当に8万キロも乗っていたの?と思うくらいにシフトノブが綺麗です。
どこかのタイミングで新品に交換されたのでしょうか。M Sportのロゴが輝いています。
支払い総額は結局130万円でした。
一応予算内ですが、残りの20万円は購入から半年後に控える車検や、想定外の故障に備えてとっておきましょう。
130iのイイところまとめ
実際に所有してみて感じる、130i (E87)の良いところをまとめました。
エンジンが本当に気持ち良い
エンジンについては当初の目論見通り、不満がありません。
ターボやハイブリッドが全盛期の現代で、自然吸気で3,000ccの排気量のエンジンの普通車ってそうそう新車では出てきません。
純正マフラーでも十分(うるさいくらいに)良い音がしますので、NAを回す楽しみがある車です。
やっぱり6MTが楽しい
どう誤魔化しても車好きはマニュアル車が好きなんでしょうか。楽しいです。
「BMWのマニュアル車」と言ういかにもツウ好みな響きもたまりません。
シグナルダッシュではハイブリッドカーに勝てませんが、運転する楽しみはピカイチです。
燃費も悪くない
良い、のではなく「悪くない」と言うのがポイントです。
カタログ値はJC08モードで10.6km/Lですが、実燃費は下道で7~8km/L。
高速に乗ると10~12km/Lほどは走ります。
1,460kgの車重の割には良い燃費だと思うのですが、いかがでしょうか?
タンクが45L入りますので、航続可能距離は下道でおおよそ300~350km程度です。
高速道路なら、東京から名古屋までは余裕で走破可能ですね。
燃料はもちろん、ハイオク指定です。
心に余裕が持てる
259psと言う数字こそ、馬力的には今の輸入車を見ると大きくない数字のように見えますが、
一般的な国産車を遥かに超える数字であることには間違いありません。
私は排気量至上主義ではありませんが、この車が"ゆとりを楽しむ車"と言う側面を持ち合わせていることも言及しておきます。
国産のミニバンに煽られてもすぐに加速できますし、
現行の輸入車であってもハイパフォーマンスなグレードでなければストレスなく追い越すことも可能です。
本当にクイっと加速する速さを持った車なので、ちょこまかした小競り合いには首を突っ込まず、法定速度で流して排気量の余裕を楽しむ乗り方がおすすめです。
この辺りは、バイクのハーレーに通じるものもありますね。
130iのもう少しなところまとめ
尖った個性を持った車になればなるほど、もう少しここが改善されればなと思う部分も出てきます。
致命的なものは今のところありませんが、やはり気になる部分はあります。
後席狭すぎ事件
後ろの席がとにかく狭いです。
流麗なデザインの代償で頭上は窮屈ですし、
3,000cc直列6気筒を縦置きするために極端に長く取られたボンネットのおかげでキャビンが小さく、足元も窮屈です。笑
後席の居住性を重視する方は、2011年以降の2代目1シリーズ(F20型)だとだいぶ改善されています。
ただ、エンジンはターボになりますし、マニュアル設定はありません。
後ろがよく見えない
E87型1シリーズに共通する弱点が、見切りの悪さです。
謎に太いAピラーに始まり、極太Cピラーのおかげで斜め後ろの視界はほぼ皆無です。
鋭角的に合流する交差点では、運と度胸が試されます。苦笑
バックカメラもついていないので、下がる時も運試しです。
フロントがとてつもなく重い
3,000ccのエンジンを積んでいるので当たり前なのですが、とにかくフロントが重いです。
街中での右左折は「ヨイショ!」とハンドルを切るイメージです。
前段で、1シリーズは50:50の重量配分を実現した車であることを紹介しましたが、
130iに限って言えばエンジンが重すぎるため少しフロント寄りになっているのです。
その重さは安定感に変わる部分もあるのですが、
ヒラヒラと舞うような走りをする車ではないことはご承知おきください。
故障との戦い
この手の中古輸入車につきまとうのは、そう、故障です。
先に言っておきます。
購入時に入れる限りの保証はつけておいた方が良いです。
国産車では考えられないような箇所が、平気で悲鳴をあげます。笑
壊れた箇所でいうと、まずはウォーターポンプ。
また、オイルも順当に食ってくれる個体だったみたいです。笑
まとめ
いかがでしょうか。
私が130iにたどり着いて感じたことを書いて見ました。
長所も短所も色々とある車ですが、一つだけ言えることは
「今だからこそ楽しめる車である」
と言うことです。
電動化の波が押し寄せてきて内燃機関の存続自体が危ぶまれる中で、
大排気量の直列6気筒NAエンジンのFR車を6速マニュアルで操れる…
車好きな人ならヨダレが出てしまうような魅力があると思います。
2019年1月、お台場で開催されたBMW Familieというイベントでは、あの世界の荒聖治選手が130iを絶賛されていました。
プロ目線で見ても、面白い車なんですね!
130iというだけならまだしも、6MT車となると弾数が非常に少ないので、見つけたその時が買い時です。
以上、ご参考になれば幸いです。
追記。
買ってから1年半が経過し、2万キロを走行しました。
雑感や壊れたところ、かかったお金をまとめました。