UNIQLOからとんでもない商品が発売されています。
その名も、「シームレスダウンパーカ」。
今回はこの次世代ダウンを、ライダー目線でレビューします。
通常のダウンはダウンやフェザーが入っている所を縫い付けで止めていますが、
この糸の穴から風が入り込み寒くなるというメカニズム。
じゃあ、糸で縫うのをやめれば良いじゃないか!というのがユニクロのシームレスダウンパーカです。
糸で縫い付ける代わりに、特殊な糊を使って生地を貼り付けているため、隙間風が入らず暖かく着られるというわけですね。
今回はこのシームレスダウンをバイク通勤とツーリングで使ってみましたので、実際の使い心地をレビューします!
まずは公式な特徴から
実際の感想をお話する前に、UNIQLOが公式に謳っているこのアウターの機能を簡単に整理します。
1. 軽いこと
なによりもありがたいことです。バイクに乗っているときに重いウェアだと、なんせ肩凝りがひどくなります。
ツーリングでの疲労軽減にも一役買ってくれますので、良い特長です。
2. 防風性能があること
数年前からバイク乗り界隈を席巻しているパワーワード、「防風」。
防風デニム、防風グローブなどなどありますが、これは"防風ダウン"です。
意外や意外、ダウンの防風仕様ってあまりありませんでしたよね。
3. 撥水性能があること
注意してください。防水ではなく、撥水です。
詳細は後でお話しますが、カッパのような雨具としての性能はありません。
「小雨降ってきちゃった!けど家まであと5分だしそのまま走っちゃえ!」
というシチュエーションで耐えられるレベルの撥水性です。
実際に使ってみた
さて、ここからは実際に着用してみたバイカー目線での評価です。
長所
1. とにかく暖かい
このダウン、とにかく暖かいです。
大袈裟な表現かもしれませんが、「寒くない」のではなく「暖かい」です。
私は毎日片道35分の道のりをPCXで通勤していますが、シームレスダウンの下はワイシャツとエアリズムのみです。
気温5℃の東京の朝、ジャケット代わりにこのダウンを羽織ってバイク通勤しても少しも寒くありません。
冬場のツーリングにも終日着用しましたが、真冬の圏央道で日の出IC〜青梅IC間を走っても寒くありませんでした。(伝わりますかねあの区間の異常な寒さ…伝わってくれ…)
2. 袖口の風ガードとカットが嬉しい
さすがUNIQLO!と思わせてくれるポイントがここです。
袖口には伸縮性の高い生地を使用したインナーがついていて、袖からの風の侵入を徹底的にブロックしてくれています。
バイク用のウインターグローブで「ロング」という長いものがありますが、あのゴワゴワ感からはもう解放です。
ショートグローブでも、全く問題なく真冬の高速道路を走行できます。
もう一つの袖口の高評価ポイントは、カット。
どういうことかと言いますと、バイクのハンドルを握った時に上になる方向が長めになるように袖口がカットされています。
これ、私のハーレーのように腕を水平より上にあげて乗るライディングポジションのバイカーにはたまらない気配りなんです。
寒くないのはインナーで解決済みですが、こういうカットになっていることで
袖がつっぱらず、横から見たときのシルエットが驚くほど綺麗になります。
もちろんチョッパー寄りのバイク乗りのみでなく、普通のネイキッドやクラシックでも確実に防風できるのでこのカットはありがたいです。
3. イヤホンコードへの気配りがすごい
私はB+comを使って音楽を聴きますが、バイクを運転中にイヤホンをして音楽を聴くライダーさんも多く見かけます。
そんなライダーへのおすすめポイントが、このダウンのイホヤンコードの取り回し易さです。
コートを着た時に自分の左になる側に、上の写真のようなポケットと、イヤホンコードを通す穴が空いています。(ちなみにポケットは割と深いです。)
ここまでは割と多くのダウンやバイクウェアでついている装備ですが、
UNIQLOの本領発揮はここから。
なんと、穴から出したコードを這わせるサポートがついているのです。
こうすることで、コードがダウンのファスナーを開け閉めする時に噛んでしまうのを防いでいるんですね。
コードの被膜がちぎれるとイヤホン交換になってしまいますので、こちらもありがたい気配りです。
イヤホンのみならず、ヘルメットマウントしたウェアラブルカメラにモバイルバッテリーで給電する際にも重宝しますよこのコードサポート。
GoProやアクションカムユーザーも必見です。
4. 普通にかっこよく着こなせる
見た目的にはUNIQLOなんですが、デニムやブーツに少し気を使えば全く違和感なく着こなせる仕上がりになっています。
表面がつや消しブラックになっていますが、よくある安いデニム特有の光沢感がなくてとても落ち着いています。
私はデニム、ブーツで合わせてハーレーに乗りますのでブラックを選びましたが、商品自体は7色のバリエーションで展開されていますので好みに合わせたチョイスが可能です。
5. ポケットの中も暖かい
ライダーにとってツーリングとは、決してバイクに乗っている間だけではありません。
美味しい店に行ったり、パーキングエリアで談笑したり、人によってはカメラを構えたりもするでしょう。
そんなバイク乗りに非常にありがたい装備がポケットの裏地です。
少しもこもこした生地のヒートテック素材がポケットの裏に使われていますので、
素手を突っ込むだけで本当に暖かいのです。
缶コーヒーを持っていない方の手は、ポケットにいれておきましょう。
短所
短所と言えるほどの短所はないのですが、使用するに当たって気をつけたいポイントをお話します。
1. UNIQLO被りが心配
いわゆる「ユニかぶり」ってやつです。
こればかりは避けられませんので、もしサービスエリアで同じシームレスダウンを着たライダーに出くわしたら
・適度な距離感を保ち続ける
・思い切って仲良くなる
のどちらかを瞬時に判断しましょう。
2. 雨対策が別途必要
このシームレスパーカー、撥水性能はあるのですが防水性能はありません。
多少の小雨の中を5分走ってついたような水滴は、叩けば落ちます。
ところが、ヘルメット越しに音が聞こえる程度の雨になってしまうと途端にぐうの音をあげます。
ダウンは濡れると乾くのに時間がかかりますので、ツーリング中に雨が降ってきたらすぐに安全な場所にバイクを止めて、カッパを羽織るようにしましょう。
人によっては、少しかさばるダウンですのでカッパが今までのサイズで入るかどうか…というところが心配になります。
3. 寿命がわからない
このシームレスダウンが最初に発売されたのは、2年前です。
画期的な技術で僕たちバイク乗りの冬場を豊かにしてくれているありがたいダウンですが、メーカーが公称している製品寿命は3年になっています。
なんでもシームレスを実現している接着剤が特殊で、着用しなくても湿気等の影響で剥がれてくるとのこと。
劣化の仕方はおいおいレビューしますが、3年でダメになったとしてももともとが一万円前後ですので、役目としては十分果たしたと見るのが正しいでしょうね。
特に寿命が気になる点は、首元です。
首元が立っていて、オープンジェットでも口元まで覆ってくれるくらいの襟の高さがありますが、(私の首が短いのもあって)頬に生地が当たります。
冬場とはいえ頬は油分があると思いますので、ずっと皮膚に触れている首の内側がどのような劣化を見せるのかは要注目ポイントですね。
4. 販売価格がコロコロ変わる
これもユニ被りに続いてUNIQLO製品の宿命なのかもしれませんが、店頭での販売価格が本当に落ち着きません。
私が買った時は9,990円+税でしたが、大きなセールになると7,990円+税まで下がるようです。
私が買った翌週に2,000円も下がっていたので、さすがに泣きたくなりました。
ただ、発売当初は15,000円近くしていたようですので、9,990円で買うことができれば良いと考えましょう。
にしてもUNIQLOさん、価格をコロコロ変えないで…泣
まとめ
勢いのままに評価を書いて参りましたが、結論は「史上最高のバイクウェア」です。
私は学生時代からかれこれ8年間バイカーをやっていますが、史上最高です。
プロテクション性能が心配な方は、インナーにプロテクション付きのものを着用すれば解決です。
UNIQLO特有の"プレーン感"も、バイク用品でよくあるシャキーンとしたコテコテ感に比べればよっぽどマシじゃないかなというのが私の感想です。
ヒーテック等の電熱ジャケットを持っている人は、
・インナーにヒートテック
・ヒーテックジャケット
・シームレスダウンパーカ
の3枚さえ着ていれば関東圏の冬場ツーリングは余裕でしのげます。
本当に、こうなると着るこたつです。
みなさんに是非おすすめしたい、UNIQLO シームレスダウンパーカのバイク乗り目線での口コミでした!